血中酸素飽和度とは
血中酸素飽和度とは、血液がどの程度酸素を運べているかを示します。
単位は%/SpO2 〈Saturation (飽和)、Pulse (脈)、 O2 (酸素)〉で、96%以上が正常値となります。日常的な測定で95%以下の場合、呼吸器系などの疾患が疑われる数値となります。
ただし、健康な人の場合でもウェイトトレーニングやダッシュなどの運動直後は一時的に低下します。
測定はパルスオキシメータという簡易装置を用います。指先を挟んで血液中の酸素飽和度を測定。ただ挟んで指先に光があたるだけなので、痛みはありません。
わたくし、トレーナー儘田(42歳)の場合
わたくし、トレーナー儘田(42歳)がウェイトトレーニングの前、直後、5分後に血中酸素飽和度(SpO2 )の測定を行ってみたところ、
・トレーニング前:96 %SpO2
・トレーニング直後:91 %SpO2
・トレーニング5分後:96 %SpO2
という結果に。トレーニング直後に著しく低下していることが分かります。身体は一時的な酸欠状態に陥っており、継続的なパフォーマンスに支障を来すことが伺えます。5分後には回復していますので、休憩を挟みながらであれば激しい運動や高強度のトレーニングの継続は可能といえるでしょう。
豊多摩高校ラグビー部 1・2年生の場合
豊多摩高校ラグビー部 1・2年生を対象に、16名の測定を行いました。
メンバーごとの差はほとんどありませんでしたので、平均値(小数点以下四捨五入)を下記に記します。
【1年生平均】
・トレーニング前:98 %SpO2
・トレーニング直後:97 %SpO2
・トレーニング5分後:97 %SpO2
【2年生平均】
・トレーニング前:98 %SpO2
・トレーニング直後:97 %SpO2
・トレーニング5分後:98 %SpO2
ウェイトトレーニング直後もほとんど血中酸素飽和度は下がっていません。
筋肉が酸素を燃焼した直後に酸素の供給ができていることが伺えます。酸素の供給が迅速かつ豊富にできる強い心肺機能は、スタミナ面の強靭さを物語っています。
まとめ
身体は息が切れるほどの激しい運動を行うと、心臓の筋力(ポンプの力)や血液が運べる酸素の量を増加させて適応しようとします。
今回の測定結果により、ラグビー部メンバーが日頃の激しい運動に対する適応によって強靭な心肺機能を手に入れていることが明らかになりました。
【取材協力】
東京都立豊多摩高等学校ラグビー部
株式会社バイオナビ
血中酸素飽和度 測定 SpO2
儘田 琢哉
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